S系外科医の愛に堕とされる激甘契約婚【財閥御曹司シリーズ円城寺家編】
「ありがとう。そうだ、和葉さん。もし柾樹さんが芙蓉にいらっしゃることがあれば、ありがとうございます、と伝えてくれるかしら?」
表向きは沙月が振られたことになっているので、あの場では礼が言えなかったそうだ。
「――かしこまりました!」
手を振って、ふたりと別れた。
(やっぱり柾樹さんには私の知らない顔があった。でもそれは、もっともっと素敵な一面だったんだ)
沙月の件がこういう真相だったのなら、誕生日の夜のことも和葉の想像とは違う事実があるのかもしれない。
(うん。やっぱり怖がっていないで、きちんと柾樹さんと話をしよう)
帰宅すると、和葉はすぐにリビングにいた柾樹に声をかける。
「柾樹さん! お話をさせてください」
温かい紅茶をいれて、ふたり並んでソファに腰かけた。柾樹は黙って、和葉の言葉を待っている。なにから話すか迷ったけれど、先ほど沙月と会ったことから話しはじめる。
「沙月さんが教えてくれました。あの最低な態度は、柾樹さんの優しい嘘だって」
彼女から頼まれた、柾樹への礼もきちんと伝えた。
「別に、彼女への親切心からしたことでもないけどな。ほかの男を思っている女と結婚するのはいくらなんでも嫌だと思っただけだ」
「でも! そんな裏事情があったのなら、教えてくれたらよかったのに……。私、柾樹さんを傲慢で最悪な男だと思ってしまって」
柾樹はふっと口元を緩める。
表向きは沙月が振られたことになっているので、あの場では礼が言えなかったそうだ。
「――かしこまりました!」
手を振って、ふたりと別れた。
(やっぱり柾樹さんには私の知らない顔があった。でもそれは、もっともっと素敵な一面だったんだ)
沙月の件がこういう真相だったのなら、誕生日の夜のことも和葉の想像とは違う事実があるのかもしれない。
(うん。やっぱり怖がっていないで、きちんと柾樹さんと話をしよう)
帰宅すると、和葉はすぐにリビングにいた柾樹に声をかける。
「柾樹さん! お話をさせてください」
温かい紅茶をいれて、ふたり並んでソファに腰かけた。柾樹は黙って、和葉の言葉を待っている。なにから話すか迷ったけれど、先ほど沙月と会ったことから話しはじめる。
「沙月さんが教えてくれました。あの最低な態度は、柾樹さんの優しい嘘だって」
彼女から頼まれた、柾樹への礼もきちんと伝えた。
「別に、彼女への親切心からしたことでもないけどな。ほかの男を思っている女と結婚するのはいくらなんでも嫌だと思っただけだ」
「でも! そんな裏事情があったのなら、教えてくれたらよかったのに……。私、柾樹さんを傲慢で最悪な男だと思ってしまって」
柾樹はふっと口元を緩める。