S系外科医の愛に堕とされる激甘契約婚【財閥御曹司シリーズ円城寺家編】
「あ。私は柾樹さんが目覚めるまでそばに……」
「ありがとう、そうしてあげて」

 寧々と唄菜を見送り、和葉はベッドサイドの丸椅子に腰をおろす。規則的な柾樹の寝息が和葉を安心させてくれる。

(あぁ、本当によかった!)

 和葉は自分のおなかに視線を落として、小さくつぶやく。

「パパ、無事だったよ。安心してね」

 柾樹に遠慮して声をひそめたつもりだったが、彼は反応してぴくりと瞼を動かした。

「ん……和葉?」

 ゆっくりと顔をこちらに向け、柾樹はかすれた声を発した。

「柾樹さん! 目が覚めたんですね」

 和葉はグッと身を乗り出して彼に顔を近づける。

「あぁ……そうか。階段から女が降ってきて……」

 柾樹の大きな手のひらが和葉の頬を撫でる。

「悪い。心配を……かけたみたいだな」
「え?」
「目が赤い」

 柾樹の口元がふっと優しい弧を描く。

「そりゃ、心配しましたよ。でも、安心してくださいね。柾樹さんが助けた彼女も無事ですし、柾樹さんも大きな心配はいらないそうですから」
「落ちてきたのが女のほうで幸いだった。三浦の下敷きになっていたら……今頃は天国だったかも」

 彼の言葉に、和葉もふふっと笑う。

 和葉に支えてもらいながら、柾樹は上半身を起こした。自分の身体の状態を確かめるように、腕を回したり腰をひねったりしている。

「どこか痛いところはないですか?」
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