S系外科医の愛に堕とされる激甘契約婚【財閥御曹司シリーズ円城寺家編】
「あれ? でも、私あの電話を聞きましたよ。あれはどういう意味だったんですか?」
すっかり忘れかけていたが、円城寺家にあいさつに行った日に彼は誰かに電話でこう言っていたのだ。
『そもそも、結婚相手なんか誰もいいでしょう? 既婚であるという事実さえあれば!』
和葉がいないと思って油断して出た本音だと、和葉は理解した。あの言葉を聞いていたから、彼に対して素直になるのに時間がかかったのだ。
「電話? なんの話だ?」
柾樹にこの件を説明する。すると、彼は思いきり渋い顔になった。
「――聞いていたのか。あの電話の相手はな、傍系も傍系の遠い親戚で、それなのにやたらと長老ぶりたがる厄介なじいさんで……俺のやることに文句をつけたいだけなんだよ」
まともに相手をする必要もないと、彼は切り捨てる。
「和葉のことを正直に話したら、嬉々として粗探しに飛んでくる。無事に入籍するまでは、絶対にあの人に和葉の名は知らせたくなかったんだよ」
「なんだ、そんなことだったんですね」
「俺はな、自分でも恐ろしくなるほどに和葉しか愛せない。だから、その点はなにも心配いらないぞ」
和葉はクスクスと笑った。
それから、ようやく取り戻した過去の記憶について彼とあれこれ話をする。
「今思うと……柾樹さんのナルシストぶりの一因を作ったのは私だったのかもしれないですね」
すっかり忘れかけていたが、円城寺家にあいさつに行った日に彼は誰かに電話でこう言っていたのだ。
『そもそも、結婚相手なんか誰もいいでしょう? 既婚であるという事実さえあれば!』
和葉がいないと思って油断して出た本音だと、和葉は理解した。あの言葉を聞いていたから、彼に対して素直になるのに時間がかかったのだ。
「電話? なんの話だ?」
柾樹にこの件を説明する。すると、彼は思いきり渋い顔になった。
「――聞いていたのか。あの電話の相手はな、傍系も傍系の遠い親戚で、それなのにやたらと長老ぶりたがる厄介なじいさんで……俺のやることに文句をつけたいだけなんだよ」
まともに相手をする必要もないと、彼は切り捨てる。
「和葉のことを正直に話したら、嬉々として粗探しに飛んでくる。無事に入籍するまでは、絶対にあの人に和葉の名は知らせたくなかったんだよ」
「なんだ、そんなことだったんですね」
「俺はな、自分でも恐ろしくなるほどに和葉しか愛せない。だから、その点はなにも心配いらないぞ」
和葉はクスクスと笑った。
それから、ようやく取り戻した過去の記憶について彼とあれこれ話をする。
「今思うと……柾樹さんのナルシストぶりの一因を作ったのは私だったのかもしれないですね」