S系外科医の愛に堕とされる激甘契約婚【財閥御曹司シリーズ円城寺家編】
「あぁ。今朝、和葉が迎えに来てくれる前に病室まで謝罪に来たよ。そうだ、和葉に礼を言ってくれと頼まれたんだった」
「お礼?」
「あぁ。俺の気持ちを代弁してくれたそうだな」

 柾樹はニヤリとする。

「あ、ごめんなさい。勝手に……」
「いや。見事、大正解だよ。あいつ、腹を決めた顔をしてた。立派な外科医を目指すってさ」
「よかった!」

 柾樹だって昔は繊細な少年だったのだ。彼もきっと大丈夫、和葉はそう思った。

「例の元患者も、今回ばかりはさすがに反省したようだったし」

 そう和葉に報告してから、柾樹は話題を変えた。

「和葉の体調はどうだ? つわり、きつくなっていないか?」
「う~ん。味覚が変わって食欲は少し落ちた感じがありますけど、今のところは大丈夫そうです」

 マンションに帰ってくる前にふたりで一緒に産婦人科を受診してきた。妊娠六週、予定日は来年の七月末だとわかった。

「それならよかったけど、無理はするなよ」
「はい! 今から七月が楽しみです」
「長いような、短いような……だな。性別はどっちだろう。判明したら名前を考えないとな」

 初めての妊娠・出産。もちろん不安もあるけれど、柾樹が一緒なら絶対に大丈夫だと思える。

「わ~、悩みすぎて決められないかも。あ、でも……結婚式の件はせっかく話を進めていたところだったのに、ごめんなさい」
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