二次元に妻を奪われたくないスパダリ夫は、壮大すぎる溺愛計画を実行する
「先生?ウイッグ買うんですか……?」
「そうだけど」
「どうして」
「この髪型が好きなんだろう? 安心して。他のもちゃんと揃えてあげるから」
「え、いや、ちょっと……まっ……」

(涼先生、勘違いしてる……!?)

「先生!そうじゃないんです!!」

 香澄は、涼がスマホを操作する手の上から自分の手を重ねた。

「そうじゃないって……?」
「私は、別に潤くんの髪型が好きなわけじゃないです!」
「潤……くん……?」

 また、涼の声のトーンが低くなった。

「りょ、涼先生……」
「香澄が、そいつをくんづけで呼ぶなんて……」
「な、何か問題でも……?」

 SNSでも、この立花潤は潤くんという愛称が一般的。その通りに、香澄も呼んだだけなのだ。それが涼にはお気に召さなかったらしいことは、香澄にもわかった。

「…………香澄はじゃあ、こいつの何が好きなの?」
「え?」
「僕はね、証明したいんだ。液晶の中でかっこつけてるだけのこいつらなんかより、僕の方がずっと香澄に相応しいって」
「え?え?」
「だから、どうすればいいか教えてよ。僕は君のいう通りに動くからさ」

 そう言われたことで、香澄は余計悩んだ。
 何故なら、分からないから。
 この後に自分が何を言えばいいのか。

(だったらいっそ……)

「…………しをください……」
「何て言ったの?」

 香澄の声のほとんどは、緊張のせいか掠れてしまい、涼には届かなかった。

「だから、その……」
「香澄?」
「選択肢を、ください!!」
「せ、選択肢?」
「はい!私が次何を言えばいいか、3択……いえ、2択でいいので、選択肢を見せてください!!」
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