二次元に妻を奪われたくないスパダリ夫は、壮大すぎる溺愛計画を実行する
その頃香澄は、自分の部屋の片付けに勤しんでいた。
「そろそろ、来るかな……」
ついさっき、スマホでやり取りしたばかりの勇気からのメッセージを見ながら、香澄はニヤニヤが止まらなかった。
「早くお迎えして写真撮影したい……!」
そう言いながら、香澄は自然光がしっかり入る位置に、お宝撮影用のためだけに買ったローテーブルを置き、布や100円ショップで買った小物を鼻歌まじりで並べた。
これは全て、推しキャラの最新の姿……くじの景品になっているぬいぐるみやアクスタ、その他ポストカードやキーホルダーの姿をしっかりとこの目で愛でて、この手で写真に残すため。
ちなみに、このローテーブルも小物も、今回のくじの企画を知ってから買い集めたもので、それ程までに香澄は今回のくじの景品が手元に来るのを楽しみにしていた。なんだったら、全力を込めて自分の力で引きたいという欲も、まだあった。
けれど、今は自分1人の体ではない。
ますます大きくなっていくお腹の赤ちゃんのことが最優先。
お腹の赤ちゃんの健康なくして、ヲタ活動はできない。
現在はこれをモットーに、勇気という最高の協力者と共に、妊娠中だからこそできる新たなヲタ活の可能性を開こうとしていた。
その名も、ヲタトーク胎教。
お腹の赤ちゃんに聞かせるように、いかに自分の推しキャラが素晴らしいかを語ることで、赤ちゃんが物心ついたころには一緒に推しを楽しめるようになれるのではないか……と、香澄はほんのりと野望を抱いていたのだ。
今日も、勇気と一緒にくじの景品を開封しながら、赤ちゃんと3人で将来のためにもなる推し活を楽しみたいと本気で考えていたのだ。
それなのに、スマホを何度確認しても、勇気が到着したという連絡がちっとも入らない。
「何かあったのかな……」
心配になり、香澄は勇気に「どうしたんですか?」とメッセージを打ち込み始めたその時だった。
「香澄、ちょっといいかな?」
扉の向こう側から涼の声がしたのは。
「そろそろ、来るかな……」
ついさっき、スマホでやり取りしたばかりの勇気からのメッセージを見ながら、香澄はニヤニヤが止まらなかった。
「早くお迎えして写真撮影したい……!」
そう言いながら、香澄は自然光がしっかり入る位置に、お宝撮影用のためだけに買ったローテーブルを置き、布や100円ショップで買った小物を鼻歌まじりで並べた。
これは全て、推しキャラの最新の姿……くじの景品になっているぬいぐるみやアクスタ、その他ポストカードやキーホルダーの姿をしっかりとこの目で愛でて、この手で写真に残すため。
ちなみに、このローテーブルも小物も、今回のくじの企画を知ってから買い集めたもので、それ程までに香澄は今回のくじの景品が手元に来るのを楽しみにしていた。なんだったら、全力を込めて自分の力で引きたいという欲も、まだあった。
けれど、今は自分1人の体ではない。
ますます大きくなっていくお腹の赤ちゃんのことが最優先。
お腹の赤ちゃんの健康なくして、ヲタ活動はできない。
現在はこれをモットーに、勇気という最高の協力者と共に、妊娠中だからこそできる新たなヲタ活の可能性を開こうとしていた。
その名も、ヲタトーク胎教。
お腹の赤ちゃんに聞かせるように、いかに自分の推しキャラが素晴らしいかを語ることで、赤ちゃんが物心ついたころには一緒に推しを楽しめるようになれるのではないか……と、香澄はほんのりと野望を抱いていたのだ。
今日も、勇気と一緒にくじの景品を開封しながら、赤ちゃんと3人で将来のためにもなる推し活を楽しみたいと本気で考えていたのだ。
それなのに、スマホを何度確認しても、勇気が到着したという連絡がちっとも入らない。
「何かあったのかな……」
心配になり、香澄は勇気に「どうしたんですか?」とメッセージを打ち込み始めたその時だった。
「香澄、ちょっといいかな?」
扉の向こう側から涼の声がしたのは。