乙女と森野熊さん
「それで俺は目が覚めたんだよ、こんなに思ってくれた相手になんてことを言わせてしまったか、男として本当に情けないと。
だから改めて俺から結婚を申し込んだ。きっと花となら大丈夫だと思えたからね。
・・・・・・だが、違った」
急に声のトーンが暗くなった。
何か声をかけないと。なのに言葉が浮かばない。
何を言えば良いのか、いや、何か言って意味があるのだろうか。
「花だけじゃ無く、花の結婚を反対しつつも認めてくれたお義兄さん達まで死に追いやった。本来あの日は俺が付き添う予定が俺が行けなくなったばっかりに。
まさか花以外まで俺の呪いがいくとは思わなかった。そしてすぐに乙女ちゃんの事が頭によぎった。
俺と花の結婚が認められるように説得してくれたのは乙女ちゃんだ。
乙女ちゃんまで消えてしまったのではないかと、俺は恐ろしかった。
でも乙女ちゃんは無事に家に居て、その顔を見ながら本当に良かったと思ったんだ」
あの時、熊さんの様子はおかしかった。だけどそれはお姉ちゃんの事故のせいだと思っていたのに、まさか私の心配をされていただなんて今まで知らなかった。