乙女と森野熊さん
「さっきからため息ばっかりついてるし」
それには机の上にある熊さんの大きな手がぴっくっと動いた。
「すまない、無意識だった」
それはそれで悪いと思うの、という言葉を飲み込む。
「なんで熊さんが怒ってるかわからないと、その」
不安になる。
私の立場は所詮拾われた側なのだし。
きっとそれを言うと熊さんは嫌がるのだろうから、もう言わないようにはしようと思うけれど。
「悪かった。別に乙女ちゃんが悪かったわけじゃ無い」
「それは今までの流れで無理があると思います」
反論がいけない気がしてそういうと、熊さんは、
「乙女ちゃん、自分が男子に興味をもたれないと思っているだろう?」
「うん」
「だから誰か告白でもしてきたら、まずは付き合ってみようとするんじゃないか?」
熊さんらしからぬ問いに私は少し考えてから頷くと、熊さんはやはりため息をついた。