乙女と森野熊さん
「乙女ちゃんは選ぶ側、なんだよ」
「ん?そんなこと無いよ?」
「今からいくらでも男子から告白される。相手を見てきちんと選ばないといけないんだ」
「今までそんなこと無かったし、こんな私でも好きになってくれたならありがたいことだし」
またため息をつかれた。
「ほら、まだため息ばかりついてる、酷い」
私がさすがにむっとすると、熊さんの目線が鋭くなった。
「乙女ちゃん」
「はい!」
条件反射のように背筋を伸ばして答えてしまった。
「乙女ちゃんはモテるんだ。今は間違って自分を低く評価しているけどそれはとても危なくて、下手すれば事件に巻き込まれない。そういう好意に慣れていない分、簡単に騙されるからだ」
「でも、熊さんだってあの小さくて可愛いお姉ちゃんを好きになったでしょ?
男子って小さくて可愛くておとなしい感じの子が良いんだよ?」
「それはある意味偏見だろう。
それに俺は別に花を外見で決めたわけじゃ無い。性格なんて凄かったことはわかっているだろう?」
熊さんにストーカーしてたり、泣き落とししたり、最後は自分から結婚を申し込んだ小さくて可愛いお姉ちゃんを思い出し苦笑いする。