乙女と森野熊さん

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一週間後、私は真奈美が転校したことを知らされた。
転校ってどこにだろうか。
お母さんと一緒に住めているのか、それともどこか施設に入ったのか。
質問攻めしそうな内容を書きたくなったが必死に我慢して、連絡したくなったときに下さい、と寂しい気持ちと共にメールに書いておいた。

12月も中旬になって熊さんが突然墓参りに行こうと言い出し、私達は冷たい風が吹く中墓地に居た。熊さんが墓石を洗い、私は可愛いお花を沢山器に入れる。

私がしゃがんで手を合わせようとしたら、熊さんが隣に来てしゃがむと目を瞑り手を合わせた。
私は何故か涙が出そうになりながら、前を向き目を瞑って沢山の報告をした。
しばらくして熊さんが立ち上がり、私は目を開けてしゃがんだまま見上げる。

熊さんは私を見ずに、ずっと先を見ているようだった。

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