BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~
「凛花さん?どうして会社に?」
「今日はー、大阪支店の打ち合わせでしょ?」
「君が来る予定じゃなかったよね?」
「私が来ちゃ都合悪かったかしら?」
私よりずっと背が高くてスルリと伸びた手足。
大きな瞳にマツエクもばっちり。細いウエスト。サラサラの長くて黒い髪。ネイルも綺麗で爪の先までばっちりケアされている。
まるでモデルみたいな女の人。
みっくんとその人が並ぶと、凄くお似合いで1歩退けてしまう。ていうか、私 空気?
「えーと、あの、私 失礼しますね」
打ち合わせって、仕事の話かな?
後ろに下がってその場を去ろうとした時、みっくんに"凛華さん"と呼ばれた女の人が私に視線を下ろした。艶のある唇がにっこりと円を描く。迫力のある大きな瞳に捕らわれて、その場を動けなくなった。
「彼女、出来たのね。小さくて可愛いじゃない?なんか……小型犬みたいね」
「うん、可愛いよ」
「へぇ、良かったじゃない。でも、随分と年下そうだけど、あなたのお世話出来るのかしら?大丈夫?心配だわ」
首を傾げて心配そうに上から下までジロジロと目を向けられるけど。
何この人……、人を子供みたいに馬鹿にして!!
*****
「奈良崎さん知ってた!?Jエステ大阪支店オープンで社長の代わりにきた女の人、山崎主任の元奥さんらしいよ!」
「…………」
「凄い迫力美人でビックリしちゃった。仕事も出来てあんなに綺麗でさー……あっ、今の彼女は奈良崎さんなんだから自信持って!!」
違う部署から資料を届けにきた三浦さん。
彼女のマシンガントークは止まることを知らない。