BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~



白く吐き出される息。大きな背中に乗せられて、アルコールで火照った頬が冷たい空気に晒される。
少しだけ酔いが冷めて、思考が冷静になってくるから急に恥ずかしくなってきた。

そのまま車に乗せられて、行き着いたのはみっくんのアパートの1室。



「はい、水。少し落ち着いてから送ってくから」


モノトーンのローソファに下ろされ、水の入ったコップを渡される。両手で受け取ってゴクゴクと全部飲み干してから口を開いた。



「……ごめんなさい」

「ん、どうして?」

「子供みたいに泣いて、取り乱してちゃって」

「うん、俺こそごめんね。ちゃんと話してなくて、嫌な思いさせたよね」

「ほ、本当ですよ……。私、三浦さんとか鈴木くんにも言われたんですよ?」


みっくんが私の頭を優しく撫でるから、言葉の語尾が小さくなって、また、泣きそうになる。



「うん、香江ちゃん、俺の話聞いてくれる?」


床の上に腰を下ろすみっくんが、下から覗き込むように私を見上げるから。口をギュッと詰むんで小さく頭を上下に動かした。

ずるい。私、悪くないのに頷くしかないじゃん。




「前に、結婚1回失敗してるって話、したよね。その相手が、今度オープンする大阪支店の責任者の彼女なんだけどね」


みっくんが"凛華さん"と呼んでいた女の人。
なんで、あんな綺麗な女の人と別れちゃったんだろう。



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