BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~
「うふふ、三槻の母です」
「うぇっ!?しゅ、主任のお母さん??」
驚きのあまり変な声が出た。何でお母さんがいるの??
主任と女の人の顔を交互に向けると、雰囲気とか顔とか確かに似ている。
「一体どうしたの?」
「みっくん……三槻がさっき象の写真アップしたでしょう?見てたら本物に会ってみたくなっちゃったのよ」
希乃愛と2ショットでインスタに上げた写真のことだろうか。
ていうか、さっきの電話の相手ってお母さんだったの?
「それに、会社の女の子ってどういう子だか気になってたし」
「心配いらないって言ったのに」
しょんぼりとする主任の母親に対し、主任が大きな息を吐く。そして、私に顔を向けた。
「奈良崎さん、急にごめんね。うちの母は少しだけ心配性なんだ」
「ふふ、可愛らしいお嬢さんで安心したわ~。まだ20歳なんですってね。若いのに苦労して希乃ちゃんをしっかり育てて偉いって、三槻が言ってたのよ。もー、関心しちゃって……」
「ママは黙っててよ」
「飲み会の日の話も聞いたわよ。うちの三槻が奈良崎さんのお宅にお世話になっちゃって……希乃ちゃんは覆面ライダーが好きなのよね」
「ははは、恥ずかしいからやめてよ」
え、ママ?ママって呼んだ?
それに、一体どこまで話してるの?
頬を赤らめる主任は本気で嫌がっているようには見えない。
唖然とする私の足元で、希乃愛が「みっくんのママー??」と警戒心に震えていた。