BABY主任は甘やかされたい~秘密の子育てしています~





「香江、あんた山崎さんとお付き合いはじめたの?」


希乃愛とお母さんと3人で食卓を囲む中、母親の言葉に食べてる物を吐き出しそうになった。



「……はぁ!?な、なんで?」

「おつきあいー?」

「さっき、山崎さんからLINEきて今日の夜、ご挨拶に行きますって」


お母さんがニヤニヤと楽しそうに私に目を向けてくるから、主任と母親が繋がっている事を思い出す。



「ごあいさつー?」

「そうよー。今日、みっくんが遊びに来るのよ」

「えー、みっくんが??」


口周りにご飯粒をつける希乃愛。
お母さんの台詞に、この子の目の輝きがキラキラと増していった。



「挨拶?そんなこと言ってたの?」

「ふふっ。ほら、夕方メッセージきてたわよ」


なんて、母がスマホを取り出してテーブルの上に乗せる。画面には主任のアイコンに挨拶に行きますとのメッセージが表示されていた。



「お母さんはね、香江にはちゃん普通の恋愛をして幸せになって欲しいと思ってるのよ」

「わ、分かってるよ。だけど、私は……」

「なにー?みっくん、どうしたの?」

「こ、こら、希乃愛。手で食べないの!スプーン使いなさい」

「あそびくるのー?」

「いや、その、来るかもしれないけど、その前にご飯食べてお風呂入っちゃおうね……」

「えー、やったー!!」



社内で噂のネタになって、どこにいても注目されて。家に帰ってやっと落ち着けると思ったのに……。

あの人、どれだけ広めるつもりなの!?




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