この『恋』の言い換えをするならば『瑕疵』(かし)です
目が覚めたら
少し身体が楽だった
熱さがったかも…
やっぱり
お兄ちゃんいなかった
夢か…
「瑛茉、起きた?
病院行ける?
車出せるよ」
お兄ちゃんの声
ベッドからお兄ちゃんが見えた
お兄ちゃん
ずっとそこにいてくれた?
さっきは
抱きしめてくれてた?
「病院行かなくていいよ
熱さがったと思う」
「ホント?」
お兄ちゃんが近くなって
私の額に大きな手がのった
「んー…そーだね
さがったかも…さっきより熱くない
さくらんぼ買ってきたから食べる?」
え…
さっきのつづき
夢じゃなかった
「漸ちゃんも、一緒に食べよ」
「オレはいいよ
瑛茉食べなよ」
「ホントは漸ちゃんも食べたいんでしょ
さくらんぼ大好きだって
この前聞こえちゃった」