廻った世界で,また君と恋を紡ぐ。
逢ったこともない私にわざわざ関係を偽る必要なんてないのに。
「俺,どいつもこいつもただの他人にしか思えなくて。ちょっと前まではすげぇガキみたいに見えてて。告白断るのも,そろそろ疲れてきて。そしたら,あいつが持ち掛けて来たんだよ」
あいつ,お姉ちゃん。
持ち掛けてきたって,何が?
全部嘘って,どういうこと?
「妹が,紅葉がいつまでも私を心配するからって。自分の家で同じようにしてくれるなら,虫除けになってあげるって」
心が傾いていた自分を,私はもう自覚していたのに。
この気持ちを受け入れるのに,とても大きな勇気が必要だった。
それでも高峯さんの事が好きだと,私は認めて罪悪感は抱き締めたのに。
偽物の恋人。
私のために連れてこられただけの,お姉ちゃんの友達。
お姉ちゃんは何も悪くない。
高峯さんも悪くない。
ただ努めて優しくされているだけなのを,勘違いした私が悪い。
息が,苦しい。
この過ごしてきた数ヵ月は,この気持ちへの私の葛藤は。
一体,何だったんだろう。
「好きだ,紅葉。それを理解したくなくて,椛の彼氏だって設定をずっと椛に通して貰ってた。ほんとはもう,ずっと紅葉が好きだった」
そう言えば。
この話は何から繋がった話だったのかな。
それを思い出してしまって,私は赤面した。