廻った世界で,また君と恋を紡ぐ。
「前の母さん達見に行くとか,今の家族に俺が変な子供だった理由を打ち明けるとか。色々考えたけど」
「うん」
「それでも陸斗はもう死んで,今は高峯千草なんだと思ったら……もうそのまま生きていこうって」
「……そうだよね,うん。もう,2人とも違う人間なんだもんね」
気味悪がられるから,信じられない事が起こったからじゃない。
これは神様がくれた奇跡なんて喜ぶことも出来なくて。
それはただ,私がもうゆいでないこと,紅葉になったからだった。
寂しかったし,逢いたかったし,その分周りに甘えたり泣いたりしたけど。
もうあの日々は,ゆいの人生は,終わったことなんだ。
誰かの記憶の中でしか,生きられない過去のもの。
「ごめんな,ゆい。余計なことして,追突からも守ってやれなくて。伝えないまま先に逝かせて,ごめん」
「いいんだよ,陸斗。私今,それでも幸せに生きてるから。だから,紅葉って呼んで,高峯さん」
私はふふふと笑った。
無理をしたつもりはない。
私の初恋が,ゆいが。
昇華した瞬間だった。