廻った世界で,また君と恋を紡ぐ。
「そうだよな,ごめん,紅葉。……俺は,紅葉がゆいって知ってて好きになったんじゃない。それでも,紅葉が好きなことは嘘じゃない。ゆいへの罪悪感が無くならないまま,紅葉に心を奪われた」
高峯さんが私の両手を包むように握りしめる。
私はその両手を,包まれたなかで小さく動かした。
私も,高峯さんがあの陸斗だとは思わなかった。
紅葉として,年上の,お姉ちゃんの彼氏だと思ってた人に恋をした。
「紅葉。お互い,変わったところはあるかもしれないけど。一緒に過ごしてきて,もう紅葉の事も知ってる。だから──俺のほんとの彼女になってくれませんか」
「……はい,高峯さんの,千草くんの彼女になります」
迷うことの方が,難しかった。
背が高くて,大きな背中。
ぎゅっと抱き締めると,私の身体じゃ溢れそうで,少しおかしい。
「なんで君づけ?」
「高峯さん,年上だもん。あとちょっと恥ずかしい」
「一々恥ずかしがってんな」
久々に遠慮無く触れられた髪の毛は。
千草くんの手をそのまま絡めとってしまえと思うほど,幸せそうにわしゃわしゃと動いた。