最強の花嫁は最愛の花婿を守る為に牙を剥く
「あのね、マナ、尊君のとっておきの恋バナを知ってるんだけど、教えてあげようか?」
「マ、マナちゃん、それは…!!」
尊がハッとして、マナの口を塞ごうと動いた。
が、既の所で壱に捕まり、羽交い締めにされてしまった。
壱が極上のイケメンスマイルで言う。
「聞きたいな。教えてくれるかな、マナちゃん。」
「う、うんっ、あのねぇ…。」と、マナは頬を染めながら話し始めた。
「尊君が病的なくらい女の子のお尻を追いかけるのには、訳があってねぇ。」
「病的って言うな!」
「童貞だからだろ?」
「それもあるかもだけどぉ。尊君、初恋の女の子を忘れたくて必死なんだよねぇ。」
「ああ、その話なら俺も聞いたことあるぜ。尊が子供の時に1度だけ出会ったっていう、泣き虫の女の子のことだろ。」
瞬間、尊がギョッとして叫んだ。
「な、何で修二も知ってんだよ!?」
「何でって、お前、酒に酔ったらその話しかしなくなるじゃん。庭で泣いてた女の子を、お前が慰めてやったんだろ。そしたら、すごく可愛い笑顔を見せてくれて、当時から単純だったお前はあっさり一目惚れしたっていう…。」
「この間の合コンでも、酔って散々その話をした挙句『もう一度あの子に会いたいよ~!』って泣き出して、女の子に慰められてたじゃん。…まさか、覚えてねぇの?」
「………。」
全く覚えていない。
顔面蒼白で沈黙する尊を尻目に、マナが壱に必要以上に体を寄せて言った。
「未だに初恋の女の子を引きずってるなんて、尊君って乙女で可愛いでしょ?」
「………。」
「周防君、どうしたの?」
「尊、お前って奴は…。」
「な、何だよ…。」
真っ赤になって全力で俯く尊に、壱が真顔で言い放つ。
「…きしょ。」
「………。」
そして、尊は今度こそ何も喋らなくなった。