最強の花嫁は最愛の花婿を守る為に牙を剥く




本物のパパの方を振り返って言う。

「親父、正気かよ。こんな得体の知れない連中とつるむつもりか?」

「チッチッチッ。尊、これからはヤクザもグローバル化の時代だぜ。志藤組にもワールドワイドな視点ってやつが必要なんだよ。」

…一体誰だ。この馬鹿に小賢しい単語を仕込んだ奴は。

「いいか、尊。今から話す内容はトップシークレットだ。誰にも喋るんじゃねぇぞ。」

「俺は組とは関係ない部外者なんだけど?」

「馬鹿。お前は部外者どころか、今回の大事な主役なんだぜ。」

「はぁ?」

顔をしかめる息子に、父親は声をワントーン低くして続けた。

「聞いておったまげるなよ。劉さんはこう見えても、香港マフィアの大物でな。ウチと組んで、この街にどでかい花火を打ち上げようって話があるんだ。」

それを聞いた瞬間、尊は顔面蒼白で叫んだ。

「ほ、香港マフィア!?」

「がーっはっはっは!驚いたか、尊!これでウチもインターナショナルな組織の仲間入りだ!」

「呑気に笑ってる場合か!香港マフィアと手を組むなんて何考えてんだ、この馬鹿親父!」

怒鳴りながら、父親の着物の胸倉を掴む。

少しはだけた襟の隙間からは、立派な龍の入れ墨が見えた。

「今は関東明誠会が新宿の外国人を一掃しようと躍起になってる最中だろ!そんな時に香港の、しかもこんな胡散臭い連中とつるむなんて、宍戸組は承知してんのかよ!」

「だからトップシークレットだって言ってんだろうが、この馬鹿息子。でかい声を出すんじゃねぇ。外に聞こえたらどうすんだ。」

言いながら、猛は息子の細い腕を掴んで引き離した。

関東明誠会は関東の大小様々な組織をまとめる広域暴力団、宍戸組はその二次団体で新宿歌舞伎町を縄張りにしている志藤組にとっては親に該当する組織である。

しかしー…。




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