鬼上司に恋しました〜本当の、恋を教えてくれたのはあなたです
「お前な…」
「お前じゃないです。愛梨って呼んでください」
ウッと、言葉を詰まらせ、何かと格闘しだす千紘さん。
「…愛梨、俺を煽り過ぎると後で後悔するぞ」
「わからないですけど、後悔しませんよ。ご飯を後にして、ベットに行きます?」
「ダメだ。ダメだぞ、俺。負けるな」
また、心の声が漏れていて、可愛いですね。
なぜか距離を取られ、強面のまま千紘さんは、監督のように腕組みして、生姜焼きを焼く姿を眺めていた。
キャベツの千切りを山盛りに、生姜焼きを乗せて、トマトを添えて、ほうれん草と揚げのお味噌汁とご飯。
「上手い。ほんと、中村は…」
ぎろっと睨んで見つめる。
「んっ、愛梨は、料理上手だな」
「ありがとうございます。付き合ってくれたら、もっと、レパートリーを増やしてご馳走しますよ」
「おっ、おう。楽しみにしてる」
あれれ…心動き出しました?
食後の後片付けは、千紘さんが洗い、私が拭きあげる。
「千紘さんの求める癒しって、こんな感じだったんですか?」
「そうだな。一緒になんでも分かち合える関係だな」
「なら、私しかいないですね。なんて…」
ふふふと、千紘さんの顔を覗き込んだ。
「どうだかな?そろそろ帰るわ」
照れているらしく、頭を掻いている。