鬼上司に恋しました〜本当の、恋を教えてくれたのはあなたです
「戸締りしろよ」
彼氏ぽく、心配されているようで嬉しい。
千紘さんの後をついて、マンションの外までのお見送りで、心配されている。
「心配なら、泊まって行きます?」
「バカ。そんなこと、誰にも言ったらダメだぞ」
「千紘さんにしか言いませんよ」
彼の腕に腕を絡めて、胸を腕に押し付けた。
「あざといんだよ」
と、デコピンされて、嬉しくてえへへと笑う。
腕を剥がされて、「じゃあな」と帰って行きそうで寂しく感じた。
「千紘さん…忘れ物です」
少し背伸びをして、彼の首に腕を回して唇にしっとりとキスを残した。
驚き顔で唇に手を添える千紘さんを残して、「気をつけて帰ってください」と、駆け足でマンション内に戻ったのだ。
千紘さんが、マンションの壁に背をあずけて寄りかかり、天を仰いで放心しているとは知らない私。
毎日の、オセオセ攻撃。
「課長、もう、中村さんに堕ちてあげてくださいよ。もう、歳の差カップルの甘酸っぱい攻防は目の毒です」
「そうですよ。私、心入れ替えて真面目にお仕事してますよ。頑張ってますし、これからも頑張りますから、付き合ってください」
高木さんからの、擁護も始まりだすが、なかなか手強い千紘さん。
「俺はバツイチの歳上だぞ。ダメだろ。親御さんが泣くぞ」
まだまだ、あらがっている。