やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
「な? と言われましても、同意致しかねます。
 私の方は話すこと等ないですし、先輩のお話も聞きたくないから、今後もふたりきりでお会いすることはないので、ずっと先輩と呼ばせて貰います。
 第一そんなことしてモニカに知られたら、私はまた、婚約者を奪おうとする悪女扱いですよ?
 だから今度はモニカと一緒に、いつもの様に私の留守中にいらしてください。
 さようなら、ハイパー先輩」


 お別れの言葉を添えて、侵入しようとしてくるシドニーの靴を踏みつけた。


「痛いっ! 何する!」


 ジャガイモの足が抜けたので、ドアを閉めて鍵を掛けた。
 何する、って強引だからルームシューズで思いきり踏んだだけだ。
 細目のヒールで踏み抜こうとしなかっただけ、感謝して欲しい。

 休息日の寛ぎの時間に、近所迷惑過ぎる。
 シドニーはこんなひとじゃなかったはずだ。
 クールな表情の下には熱い正義の心を持っているから、モニカを選んだ……はずだ。


 もう私とっては、ジャガイモだが。
 それなりに格好良くいて欲しいのに。
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