やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

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「侯爵家の皆様とモニカは、両親が素直に同意したのを驚いたでしょうね。
 争う気で来たのに、梯子を外されたその顔が見られなくて残念です。
 4人だけかと思っていましたが、あちらの弁護士さんも同行されていたのですか?」

「モニカ・キャンベルの弁護士はエドワーズ侯爵家顧問のジェイレルズという三流弁護士で、今回は同行していません。
 モニカが証拠として用意していた前伯爵の遺言書をキャンベル卿がお認めにならなければ、司法の場で解決するぞ、と脅しのように名前を出してきましたが、それもキャンベル卿はあっさりと兄の筆跡で間違いない、本物だと太鼓判を押されて」


 あの父なら、クレイトンから逃げられるなら、例え5歳児が手習いで書いた手紙だろうと、亡兄の筆跡だと認めたのじゃないかしら。
 私の父はそういう人だ。


 フィリップスさんは侯爵家の顧問弁護士を三流と言い、モニカのことも呼び捨てになってきている。 
 個人でお仕事をされているようだけれど、祖父からも両親からも信頼されていて、且つ私の身辺を見張るなんて、何でも屋でもあるのかな。
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