やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

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「目の前で自殺なんて、モニカは私をどれだけ憎んでるの……」

「憎む、その一言では言い表せない感情を抱えていたのは確かだ。
 連行されたモニカのバッグから遺書が出てきて、俺も見せて貰ったが、君への想いが綿々と綴られて……
 自分中心の世界観に、正直引いたよ」




 エドワーズの者達に囲まれたノックスヒルで、彼女はずっとひとりだった。
 何もすることがないので、忙しそうな夫の社交活動を手伝うと言っても、
『ただ見た目だけの君は足手まといだ』と王都への同行を断られた。


 シドニーが結婚前に見せた優しさは偽物で、2年もすると閨は勿論、食事さえ一緒ではなかった。
 当然、後継を作るのも夫は協力してくれない。


 もう誰も彼女の話を聞いてくれる者は居なかった。
 無理矢理に呼びつけた友人達に、どれだけ夫から使用人達から冷たくされているかと嘆いて見せても。
 もう誰も同情はしてくれなかった。


 偶に丘から降りて、寂れてしまった街を歩けば。
 かつては『聖女様がこの地を治めるべき』と言ってくれた声が、今ではモニカに聞こえるように、
『ジョージ様とペイジ奥様が戻っていらっしゃらないか』と言う。
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