やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
 それで、オルの話の腰を折るようで申し訳なかったけれど、口を挟んだ。


「どうして、13年前に?
 勝手な話だけれど、今から8年前にモニカのご両親は亡くなったの。
 貴方から見たら、18年前ね。
 あの事故死を止めてくれたら、私とモニカは疎遠なままだった。
 わたし達の関わりがなければ、毒は飲まずに済んでいたでしょう?
 やはり18年は長過ぎて、無理なの?」

「18年戻る等、文献を紐解いても誰もなし得ていない。
 報告がないと言うことは、もし、挑んだ先人がいたのだとしても、元には戻ってきていないんだ。
 記されている最長記録は7年前だから、俺が戻った10年前さえ、師匠には無理じゃないか、と心配されていた。
 とにかく、魔法は盲滅法にかけるものではなく、安全性の確証を持って行え、と俺達は魔法学院のガキの頃から叩き込まれる。
 必ず文献で、そこに記された先人達の、成功と挫折の経験と結果の報告を読み込め、と教えられる」 

「元に戻れる、が重要なのね?」 

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