やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
「その通り。
 俺はずっと、学院の在学中から『時戻し』『時送り』の術について研究していたから、ギリギリ今の魔力量なら10年なら大丈夫だと思った。
 だけど、実際は魔力切れでパピーになってしまった」


 そうか、『戻し』があるから、『送り』もある。
 それがセットで、彼は元居た23歳の場所へ戻れる。


「時戻しの魔法は決して万能じゃないのに、そう思わせる。
 それ故に、時戻しを行うのは色々と取り決めがされていて、行う者は必ず魔法士の誓いを立てることが決められているんだ」 


 ……もしかして、それはフィリップスさんが言っていた『破れば命がなくなる』という誓い?


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