やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

「お祖父様が御心配なさっていたことが3年後に起こります。
 リアンが信者達に襲われて、結果的に車椅子……」

「ジェリ! お前は何を言ってる? 3年後の?
 夢でも見たか!」


 
 ここではそれに対して否定するのは止めて、口を閉じた。
 すると祖父は身を乗り出して、私の目を見つめた。
 祖父は相手が嘘を付いているかどうかは目を見れば分かると、普段から口にしている。

 私の胸は早鐘を打っている。
 だけど、ここで目を逸らせば、祖父に声は届かなくなる。


「嘘を貫きたいなら、視線は外すな、と教えたことを覚えているか?」

「はい、フレデリックの時でした」


 フレデリックの時、と言うのは。
 私が10歳の時、祖父から出された宿題が出来なくて、従兄のフレデリックにほぼ解いて貰った。
 それを自分がしたと嘘をついたのに少しの追求で自分からバラしてしまって、その時に祖父から
『お前が視線を逸らせたから直ぐに分かった』と言われた時のことだ。
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