やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
 その母なら、ろくに働きもしない車専属運転手よりもモンドに免許を取らせた方が経済的なのは分かるはずだった。


「車のこと、モニカに聞いたの?」

 やはり、今回もモニカは既に車の購入を母に打診していたんだ。


「そうね、モンドに免許はいい考えね。
 お父様とご相談してみるわね」


 母がそう言ったので、部屋を辞した。
 しかし父が反対などしないことは、母も私も分かっている。
 父は何だって、いつだって『ペイジが決めてくれたら、それでいいよ』。
 そういう人なのだから。



 ジョージ・キャンベルの取り柄は顔と性格がいいこと。
 このふたつが良ければ、本人はふわふわしてても、周囲が父にとって良いように動いてくれて、ここまで、のほほんとやってこれた。       

 父に関しては、本人がそう望まなくても、周りは許した。
『そういう人だから』は、母の口癖だった。
 自分の父親と正反対の、ふわふわジョージに夢中になった母ペイジは、未だに父のためならどんなに辛くても、の女性なのだ。



 母には着払いで祖父に電話を入れる許可も取り付けた。
 案の定、祖父は電話口に出られなかったので、アーネストさんに昨日のお礼と、無事に着いたこと、そしてメリッサのことを伝えた。

 夜にまた祖父の方から電話をしますとアーネストさんから聞いて、お時間があるなら、と伝言をお願いした。
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