やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

16

 翌日の日曜日はメリッサの面談の日だった。
 クリスタルホテルの会議室で、具体的な仕事内容の説明や希望の勤務時間の聞き取り、また制服のサイズ採寸があったらしい。

 私も付き添った方がいいのか分からなかったけれど、メリッサがひとりで行きます、と言ったので、寮で宿題をして待っていた。


「面談には、人事の方と社長さんと、お知り合いらしいヒューゴさんがいらして、色々と質問されたけれど、皆様とても感じが良かった」

 それを聞いて驚いた。
 伯父と祖父が同席したとは。
 普通なら非正規雇用の学生への仕事内容説明に社長が立ち会うなんて有り得ないのに、メリッサは不思議に思っていない様だった。


 ドアガールについて、祖父達は真剣に取り組むつもりだ。
 特に祖父は会長だと明かさずに、知り合いのヒューゴ?
 思っていたより大事になってきたぞ……
 私は怖いような、それでいてわくわくするような気持ちになった。



 祖父には昨夜、シドニーがクレイトン産のフルーツの配達で、シーズンズに出入りしていることは伝えた。
 配達担当者の名前までは、さすがの祖父も把握していなかったので、とても驚いていた。
< 233 / 444 >

この作品をシェア

pagetop