やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
「……そんな、どうしたの、ジェリー?
 あの子はそんなことは言わないわよ。
 でも、分かるでしょう?」

「お母様、はっきり言いますね。
 もうモニカが自分から言わない、お願いしない限り。
 先回りして決めつけるのは、止めてあげてください」


 決めつける、なんてきつい言い方なのは分かっている。
 母には全く悪意はない。
 自分の思い通りにしようとしているのではない、と言うことも。


「……」

 母が呆然としているのに、そのまま続ける。


「分かっています、全てモニカを考えて、なんですよね。
 でも、もうモニカも18歳です。
 あの頃の13歳のモニカじゃないんです。
 言いたいことがあるなら、部屋に閉じ籠るのじゃなくて、主張したら良いんです。
 それを聞いて、納得できたら、それを通してあげて。
 納得出来なければ、それを話し合って」


 13歳のモニカも言いたいことがあっただろう。
 でも、遡ってそこまで指摘して、母を傷付けたくなかった。
 だから、せめてこれからは。


「お菓子教室だって、モニカに嫌だと言われたら、理由をちゃんと聞いてあげてくださいね?
 でも、お母様はハント様達とお約束されたのですから、モニカの言う通りにしなくても良いんです。
 ノックスヒルに誰を招くのかは、お母様が決定なさってください」
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