やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

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 翌日曜のクレイトン11:15発で、王都へ帰る。
 先月、お金を無駄遣いしたくないと、時間を無駄遣いした私だった。

 今月は素直にキャブに乗ったので、18時までに寮に戻れた。
 オムニバスは2階なんて最高に気持ちいいけれど、時間にも気持ちにも余裕がある時に乗るべき乗り物だ。


 同室のメリッサも、今日はホテルの初出勤で朝から留守だったけれど、もうすぐ帰ってくる。 
 自分のベッドに腰を掛けて、クレイトンのことを思い出した。

 一番にオルのことが思い浮かぶけれど。
 それはまぁ、ゆっくり思い返したいので、後回しにする。



 今朝モニカは私が帰るまで、部屋に籠ったままで出てこなかった。
 昨夜は意地を張って、夜食を頼んでこなかったらしい。
 私が帰れば、部屋から出てくるのかもしれないし、もう少しがんばるかもしれないけれど。
 昼食まで顔を出さないのなら、お茶だけは持っていってもいいわよね、と母が言うので、頷いた。


 邸を出る前に、今月誕生日を迎えるリアンに36色の色鉛筆のプレゼントも渡せた。
 とても喜んでくれたので、お金を貯めた甲斐がある。
 前回は帰って渡せたのかな、郵送にしたのかな。
 そんなことさえ思い出せない、酷い姉で申し訳ない。 
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