やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
「明日は日曜日よ。
 ムーアの家に小さい女の子の服は用意出来てるか不安ね。
 貴女の子供の頃の洋服で綺麗なままのがあるから、2着ほど持っていかせるわ」

 女の子の洋服なら、ケイラ伯母様の百貨店があるから、と余計なことは言わない。
 母はきっと、駅まで送るだけじゃなくて、何かしたいのだ。
 17歳と8歳の兄妹を助けたいと思う大人は、サイモンが思っているより多いのだから。



 モンドが来てくれるまで、まだ時間がある。
 サーラさんからメモを貰って、2つの電話番号を書いた。
 ①と記した番号から説明をする。


「これは祖父の番号です。
 大抵、アーネストさんと言う男性が出ます。
 もし、通じなかったり、他の人が出たら、そのまま切ってください」

「……」

「それから②は伯父のゼインの番号です。
 この3人の誰かと連絡が取れたら、先輩が決めた合言葉を伝えてください。
 それが言えるかで迎えに来た人が祖父の使いなのか、分かります。
 この3人以外で信用していいのは、フィリップスさんという方ですので」

「随分用心するんだな」
< 314 / 444 >

この作品をシェア

pagetop