やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
だけど、やり返したいのも本当で、嫌味も言った。
先月の昼食会で、彼女の友人関係も壊してしまったかも知れない。
ぐちゃぐちゃにして、と言われたし。
それでも、やり直して謝りたかった。
今はともかく、彼女もまた『守られるべき子供』だったのに、孤独にさせた……
今ならまだ間に合うはず。
案の定、内側から鍵が掛けられていたので、クリフォードからマスターキーを受け取った。
解錠して、クリフォードに返す。
父は留守中、全権は母に、だが。
マスターキーは彼に預けていた。
クリフォードの盲目的な伯爵家に対する忠誠を父は信じている。
きっと母程は身内が居ない姪に対して非情になれなかった父が、彼に他の仕事先を紹介したとはやはり考えられない。
先月母から聞かされたモニカの話。
父も母と同じ様にモニカに対して感謝していたのなら、侯爵達が把握していなかったクリフォード達の給金は、父から出ていたのかも……
◇◇◇
ノックもせずに部屋に入ると、クッションが飛んできた。
花瓶じゃなくて助かったし、最悪ペーパーナイフが飛んできたかもしれない。
この部屋の花瓶が高価なのもあるだろうけれど、何だかんだ言ってもモニカは甘いのだ。
自分の手で傷付けることに躊躇いがある。
「部屋にまで来て、追い出すの?
どこまであんたは……!
あのひとが居ないから好きに出来ると……」
先月の昼食会で、彼女の友人関係も壊してしまったかも知れない。
ぐちゃぐちゃにして、と言われたし。
それでも、やり直して謝りたかった。
今はともかく、彼女もまた『守られるべき子供』だったのに、孤独にさせた……
今ならまだ間に合うはず。
案の定、内側から鍵が掛けられていたので、クリフォードからマスターキーを受け取った。
解錠して、クリフォードに返す。
父は留守中、全権は母に、だが。
マスターキーは彼に預けていた。
クリフォードの盲目的な伯爵家に対する忠誠を父は信じている。
きっと母程は身内が居ない姪に対して非情になれなかった父が、彼に他の仕事先を紹介したとはやはり考えられない。
先月母から聞かされたモニカの話。
父も母と同じ様にモニカに対して感謝していたのなら、侯爵達が把握していなかったクリフォード達の給金は、父から出ていたのかも……
◇◇◇
ノックもせずに部屋に入ると、クッションが飛んできた。
花瓶じゃなくて助かったし、最悪ペーパーナイフが飛んできたかもしれない。
この部屋の花瓶が高価なのもあるだろうけれど、何だかんだ言ってもモニカは甘いのだ。
自分の手で傷付けることに躊躇いがある。
「部屋にまで来て、追い出すの?
どこまであんたは……!
あのひとが居ないから好きに出来ると……」