やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
「隠さないと、ここでは生きていけない、と思い込んでいたんでしょうね。
 いい子にしていないと叔母様から愛されない、と。
 だから自分から色々と教えて、なんて頼んできてたんです、多分。
 さて、いい子の仮面も自分から外したみたいだし、ぺっしゃんこにして来ます」

「貴女も、そんな言い方ばかりして」

「ジェリー、今のモニカは普通じゃないよ、僕も行こうか?」


 リアンは姉と慕っていた従姉の本性を見て、母と私を守る気になったようだ。
 父が居ないなら自分が、という……
 だから、貴方は母を庇って突き飛ばされた。


「ありがとう。
 本当に危ない時は呼ぶね、助けてね?」


 毎度のように部屋に閉じ籠った相手に慌てる必要はなくて、私は心配そうなカルディナを抱き締めた。



「大丈夫よ、貴女の大切なお嬢様を傷付けたりしない。
 私はモニカとやり直したいだけなの。
 貴女もこんなのはおかしい、と最初から分かっていたのに、言えなかったのね?
 ごめんなさい」

「私にとっては、ジェラルディンお嬢様も大切なお嬢様なんです。
 お気を付けてくださいませ」



 私はモニカが閉じ籠った前伯爵夫人の部屋に向かった。
 少し後ろをクリフォードがついてきてくれる。


 カルディナに言ったことは本当だ。
 サイモンとは違い、モニカとは関係をやり直したかった。
 
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