やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
「……あんた、私を馬鹿にしてる?
 3年後? あんたは根性が悪いだけじゃなくて、嘘つきになったのね!」

「根性が悪くて、嘘つきか。
 あんたの従妹だもの、血は争えないね」

「あのね、いい加減にしてよ!
 訳の分からない3年後なんて……」

「3年後のことなんて信じて貰う証は、今は貴女には示せない。
 中身が何て書かれていたか分からない伯父様の遺言書が出てきたら、貴女は信じるだろうけれど。
 私を信じたくないなら、この部屋を片付けながら隅から隅まで探したけれど遺言書なんて見つからなかったわよ、って馬鹿にして罵ってもいい。
 何でも貴女の言う通りにしてあげるから。
 だから、今は黙って……私の話を聞いて」


 モニカだって馬鹿じゃない。
 そこまで言えば私を罵倒しながらも、聞く態勢に入ってくれた。  


 私達は魔力を持たない分、それが魔力を使ったもの、魔法だと言われると。
 却って素直に受け取るから、きっとモニカも私の時戻しを信じると思った。




 私は順を追って13年後までを話した。
 しかし、サイモン・デイビスの名前は伏せて、シドニー・ハイパーとして話し、オルとクララの名前も、説明から抜いた。
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