やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
 孤児院でお馴染みの子供達の名前を出せば、あまりにも偶然が重なっている、とそこで話の腰を折られそうな気がしたからだ。
 
 それに今はまだモニカには、私に時戻しをさせた恋人が13年後のあのオルくんだとは知らせたくなかった。



 3年後に起こるリアンの事件。
 11年後に私が毒を飲んでしまう件。
 その後、自分が精神病院に入れられて実験体とされてしまう未来。



 私が話し終えると、モニカは打ちのめされたように見えたが、それでも、気丈さは失っておらず。
 挑むように尋ねてくる。


「……それで? 私に謝らせたくて、魔法に掛けて貰ったの?」

「謝らせたい? どちらかと言うと謝りたかったかな。
 こちらの謝罪を聞いて貰って、私達はやり直して、その未来を変える、そうしたかったの」

「……私に? 謝りたいの?」

「お母様もね、貴女には申し訳ないことをした、って。
 本当は自分が話したいと言ったのを、止めた。
 私が魔法で3年前に戻ったことは、ノックスヒルでは貴女にしか話すつもりがなかったから」
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