やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

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 クララは生き延びて?
 私の戸惑いを置いてきぼりにして、サイモンは話し続けた。


「セントハーバーでの環境は最悪だった。
 死んだ母は身体を患っていた。
 お陰さまで俺は頑丈なんだけれど、クララは母親似なんだ。
 クレイトンは森と湖があって、空気と水が澄んでいる。
 あそこに住みたかったのは、それが理由で」

「……」

「クララが16歳になったら、帝国で手術を受ける順番待ちに登録しようと思ってる。
 子供の間は受けられない手術で、登録しても2、3年は待たないといけない。
 20歳のクララは、無事に手術が成功して……
 まだ生きていたんだろうか?」



 クララ・デイビスは隠されていたから、オルも知らなかったのだろう。
 彼女の存在自体、言及はなかった。


 オル曰く。
 体調を崩して自分は余命わずかだと誤解したシドニーは。
 離婚を切り出して、何もかも投げ出して出奔した。
 妻のモニカが逮捕され、自分が持ち込んだ毒で私が倒れても、逮捕を恐れて帰国しなかった。


 そのことを、私から聞いたサイモンは申し訳なく思っていて、男らしくない自分を責めていた様に思う。


「はっきりとはクララちゃんのことは知らないんです。
 ただの推理ですが、それでも聞いてくれますか?」
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