やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
 メリッサだけは、信じられないものを見たように、固まった。
 そして私の顔を見て『どう言うことなの、後でいいから理由を教えて』と小さな声で囁いた。


 私だって、サイモンが今日ここに来た理由が知りたいよ……
 じぃじもアーネストさんも、彼を自由にし過ぎです。
 クララも一緒で、危険度指数は倍増しているのに!



「あの方は先輩です、ちょっと待ってて……」

「え、あの女の子はクララじゃない?
 王都に居るの?」


 そうか、今月の慰問を終えたモニカは、クララが孤児院を退院したことを知らないんだ。


「あ、あのね、彼はクララのお兄さんで……」

「ジェリーの先輩が? そんな偶然てある?」

 
 あるんだよ! 信じられないだろうけれど!
 もう何が何だか。
 私がもたもたしている内に、向こうからやって来た。


「あー、お姉ちゃん達、皆!
 嬉しい!」

「こんにちはクララ」

「元気にしていた?クララちゃん」
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