沼甘総長は、左手の薬指を独占したい
怖いお兄さんに見つかりたくない。
人目につかない場所ってどこだろう?
遊園地の入口から30メートルくらい離れた場所は、木々が茂っている。
キャラクターの銅像で死角になっているし、ここなら隠れられるかも。
カップルでにぎわう入り口付近から離れ、私は銅像の陰に身を隠した。
今は夜の6時半すぎ。
と言っても、外が真っ暗というわけではない。
日没が遅めな夏だし、遊園地ゲートのネオンライトは光っているし。
でも……
一人で立っているのは、心細いなぁ。
お兄さんに絡まれた直後ということもあり、身の危険を心配せずにはいられない。
待ち合わせの時間まで、まだ30分くらいある。
東条くんが、早めに来てくれるといいけど。
スマホの時計を確認して、バックにスマホを押し込んだちょうどその時。
「見~つけた」
不気味な声とともに、背中に嫌な気配を感じた。
私の肩に、誰かの手の平がのっかっている。