LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
「おはよー」

 元気で明るい声が響いて、直哉が入って来た。

「何してるの?」

「アクアマリンの修理ができないか、見てもらっていたんです」

「へえ」

 瑶煌から受け取ってまじまじと見たあと、直哉はアクアマリンを藍に返した。

「で、直るの?」

「ダメみたいです」

 直哉は首をかしげた。

「直せないってことないだろ、これくらいなら。石の穴は壊れてないから、金具をつけるだけでいけるんじゃない?」

「そうですか!?」

「うちよりパワーストーンの店のほうが材料あるかもよ?」

「あ、そういえば、アクセサリーのパーツを売ってた気がします!」

 藍は顔を明るく輝かせた。

「帰りに寄って探してみます! ありがとうございます!」

 礼を言う藍に、いいってことよ、と笑って応じる直哉。

 だが、彼には一つ疑問が残った。

 なぜ瑶煌は直そうとしなかったんだろう。

 その日、瑠璃はいつもより遅くギリギリに出勤してきた。泣いたあとのように赤い目をして。





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