育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
晃洋さんにそう言われた瞬間、我慢していた涙がぽろぽろとこぼれ始めた。

あぁ、なんだ。最初から、すべて伝えてよかったんだ。
アメリカ行きのことも、宇田先生のことも、自分のドロドロとした感情もすべて。

こんな私の醜い部分でさえ、晃洋さんは受け止めてくれる。


「美優、ひとりで抱え込まないで。結婚するんだよ、俺たち」

「……っ、はいっ」


ぽろぽろと溢れてくる涙を拭った晃洋さんは、頬にそっとキスをしてくれる。

もう、大丈夫。
もしもこの先宇田先生になにか挑発されたとしても、私は負けないよ。

だって、こんな風に私を受け入れてくれる晃洋さんがいるんだもの。これ以上望むものなんて、なにもない。
アメリカに行くことだって、全力で応援できる。


「あ……アメリカに行くまでの毎日、キス……してくださいね」

「あぁ、もちろん」

「それから……毎日電話もしたい」

「あはは、それくらいお安い御用だ」


笑いながら、私のわがままを受け入れてくれる晃洋さん。

きっとこの先も、不安になることもあると思う。
けれど、晃洋さんとなら乗り越えていける気がするんだ。


「キス、しようか」


もしかして、ジェラシーはときにスパイスになるのかもしれない。
そんなことを考えながらも、甘い甘いキスを交わした。
< 119 / 148 >

この作品をシェア

pagetop