育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
妃織を育てて2年。まだまだわからないことばかりで、手繰りで育児をしている。そんな中での妃織の大ケガは私にとっては大打撃で、母親失格かもしれないと、自分自身を責めた。

だけど山内先生はそんな考えではなかったらしく、私のことを〝間違っていなかった〟と。
「第三者からしてみれば、そんな考えよ」と言われてしまうかもしれないけれど、今の私には本当にありがたい言葉だった。


「お母さん、明日も、待っていますからね」

「はい……ありがとうございました」


私の処置が終わったのと同時に妃織のオルソグラス固定も終わったようで、看護師さんに抱かれた妃織が処置室から出てきた。私の顔を見るなり「ママ! ママがいい!」と、固定されていない方の足をバタバタさせている。

看護師さんから妃織を受け取ると、私はぎゅっと強く抱きしめた。


こんなお母さんでごめんね。
今回はこんなことになってしまったけれど、これから先も全力で妃織のことを守っていくから。


小さな背中に、ありったけの思いを呟く。


「ママ? ひお、おなかすいたよ」


私の思いとは裏腹に、妃織がお腹が空いたと言い始めた。考えてみれば、もうお昼ご飯の時間をとっくに過ぎてしまっている。

近くにいた看護師さんにも「頑張ったから、お腹減ったよね」と笑われながら、私たちは病院をあとにした。
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