束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
 翌朝、目覚めて状況を確認すれば、その惨憺たる光景にさーっと血の気が引いていくのがわかった。

(あ……そんなっ……俺は、なんてことをっ)

 シーツはひどく乱れ、ベッドに横たわるその身体には無数の赤いあざがあった。服も掛け布団もすべて床に散乱している。

 床に落ちているそれに避妊はしていたとわかったが、そんなことは何の救いにもならなかった。

 どう考えたって洋輔は彩子を傷つけてしまった。あんなに大切にしたいと思っていたのに。


 目覚めた彩子にどんな言葉をかければいいのかわからなかった。謝罪をしなければと思うが、こわくて声が出ない。

 そうして洋輔が何も言えないでいれば、彩子は洋輔の想像もつかないような行動に出た。

 起き上がって、身体の痛みに悲鳴を上げたかと思えば、彼女は豪快に笑ってみせたのだ。昨夜の時間が楽しかったとでもいうように、彼女の表情には一切の憂いはなかった。

(え、なんで……)

 あまりに予想外な態度に洋輔は混乱して反応ができなかった。
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