ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
「そんなに堅くならなくて大丈夫ですよ。着きました」
到着した先は遊園地だった。時刻は夕方頃なので、夕日に照らされて少しノスタルジックな雰囲気になっている。
「あかり!星來!」
目の前に日華さんが立っており、私たちを見つけると大きく手を振った。
「日華さん」
「パパー!!」
星來は車から飛び出すと、嬉しそうに日華さんに向かって駆け寄る。日華さんは大きく腕を広げ、星來をしっかりと抱きしめた。
「星來、会いたかったよ。元気にしてた?」
「うんっ!」
「今日はね、星來とママのために遊園地を貸し切ったんだ。パパといっぱい遊ぼうね」
「あそぶ!!」
まさか今度は遊園地を貸し切るとは思っていなかった。誰にも見られないためには人の目をシャットダウンしてしまえばいいということ?
このスケールの大きさは日華さんが売れっ子の俳優さんだからできることだろう。
ここで帰る水川さんに丁重にお礼をし、私たち三人だけの時間と空間が始まる。
「おいで、あかり」
「ママはやく!」
……ああ、すごく幸せだな。
思わず涙が溢れそうになるのを抑えながら、日華さんの手を取る。