ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。


「そういえば、ずっと聞きたかったんだけど、どうして星來って名前にしたの?」


 日華さんが私を見て尋ねる。


「星來が生まれた時、神様がこの子に会わせてくれたって思ったんです。一番星が落ちてきて私に会いに来てくれたんだと思って。
そんな大切な宝物って意味を込めて名付けました」

「そう、すごく素敵な名前だね」


 優しく微笑んで星來の頭を撫でる。


「ロサンゼルスはどうでしたか?」

「あまり観光はできなかったけど、夜景が綺麗だったよ。月と星を見る度にあかりと星來を思い出してた」

「その頃日本は朝ですけどね」

「はは、そうだね」

「でもわかります。私も太陽が出てると日華さんどうしてるかなって思いますから」


 改めて日華さんに向き直り、にっこりと微笑みかける。


「日華さん、お帰りなさい」

「ただいま」

「ずっと会いたかったです」

「俺もだよ」


 やっと向き合って見られた日華さんは、少し痩せたように感じた。


「体調は大丈夫ですか?」

「大丈夫。もう元気だよ」

「無理しちゃダメですからね?」

「わかってるって」


 本当にわかっているのか怪しんでしまう。日華さん、少し声の調子が悪い気がする。


「はい、トローチです」


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