孤高のエリート社長は契約花嫁への愛が溢れて止まらない
「そういえば、私も爽やかで心地のいい香りを感じましたけど、てっきり香水なのかと……」
「社長は鼻が利きすぎる質ですので、香水の類は一切使用されません」
「深水おまえ、さっきから言い方がいちいち癇に障る……」
嬉々として発言した秘書を不満そうに横目で見てから、穂高社長はため息をついた。
「だがまあ、そういうことだ」
「ええと、つまり……?」
「つまりあなたといると、社長は無防備にも眠りに落ちるくらいリラックス効果を得られる、ということです」
真面目そうな外見とは裏腹にお茶目な性格であるらしい社長秘書から満面の笑みで言われ、反応に困った。
「はあ、そうですか」
「はい。そしてこちらをどうぞ」
深水さんが微笑みを浮かべたままテーブルにハガキ大の紙片を滑らせる。「先日のお忘れ物です」と言われる前に、あっと声が漏れた。
「私の求職カード!」
それはハローワークで作ってもらった書類だった。どこかで落としたらしく、探しても見つからないから再発行しなければと思っていたのだ。
なるほど、と思う。あの日電車内で取り出したときにバッグにしまい損ねたのを、穂高社長が拾っていたのだ。
なんだか急にいろいろなことが繋がってきた気がする。求職カードには私の氏名と住んでいる地域が記されているわけだから……。
「社長は鼻が利きすぎる質ですので、香水の類は一切使用されません」
「深水おまえ、さっきから言い方がいちいち癇に障る……」
嬉々として発言した秘書を不満そうに横目で見てから、穂高社長はため息をついた。
「だがまあ、そういうことだ」
「ええと、つまり……?」
「つまりあなたといると、社長は無防備にも眠りに落ちるくらいリラックス効果を得られる、ということです」
真面目そうな外見とは裏腹にお茶目な性格であるらしい社長秘書から満面の笑みで言われ、反応に困った。
「はあ、そうですか」
「はい。そしてこちらをどうぞ」
深水さんが微笑みを浮かべたままテーブルにハガキ大の紙片を滑らせる。「先日のお忘れ物です」と言われる前に、あっと声が漏れた。
「私の求職カード!」
それはハローワークで作ってもらった書類だった。どこかで落としたらしく、探しても見つからないから再発行しなければと思っていたのだ。
なるほど、と思う。あの日電車内で取り出したときにバッグにしまい損ねたのを、穂高社長が拾っていたのだ。
なんだか急にいろいろなことが繋がってきた気がする。求職カードには私の氏名と住んでいる地域が記されているわけだから……。