孤高のエリート社長は契約花嫁への愛が溢れて止まらない
 なぜかフォローするようなことを口にしてしまい、ぎろりと睨まれた。反射的に「ごめんなさい」とつぶやく。

 会社を上場させたキレ者の社長で態度はとても威圧的なのに、どうにもツッコミどころが満載でついつい余計なことを口走ってしまう。

 ふっとため息のような吐息を吐きだし、俺様社長はひじ掛けをつかって頬杖をつく。

「どのみち、おまえという抱き枕がいたら、ほかの女と結婚なんてできないだろ」

「だ、抱き枕⁉」

「だいたい、おまえはどういう理由でためらうんだ? 俺と結婚すれば生活に困ることはないし、実家の家族も安泰だ。もちろんおまえ自身になにか制約を課すつもりもない。それとも、俺自身になにか不満が?」

 くっきりと彫りの深い顔はただただうつくしく、皮肉っぽく歪むこともない。おそろしいことに、なにもかも本気なんだ、この人は。

「不満て……」

 正面のソファに威風堂々と鎮座し、強い視線を投げかけてくる穂高社長を改めて見る。整った容姿に、上場企業の社長という社会的背景。スペック的には申し分ない。むしろ玉の輿にのりたい女性からしたら、願ったり叶ったりのお相手だ。

 ――だけど。

「そういう問題じゃないんです。私、彼氏いるって言いましたよね? 同棲中でラブラブなんです。だからあなたとは結婚できません!」

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