孤高のエリート社長は契約花嫁への愛が溢れて止まらない
「ほおお」

「ひ、ひかり」

 手を伸ばしてきた純也からとっさに距離を取る。この甘ったるい匂い、きっとベッドにも沁みついてる。そう思うといつも寝起きしていた場所が一気に穢れているように見えた。

「だから、その……つまり、事故みたいなもんなんだよ、これは」

 急にその場にあぐらをかくと、純也は開き直ったように言葉をつづけた。

「だいたいさ、ひかりだって悪いんだよ。普段からもっと色っぽい格好してれば俺がああいう女に引っかかったりしないのに」

「え、私のせいなの」

「まあ、だから、終わったことは仕方ないし。もうさっきの女とは会わないし。な、それでいいだろ。とりあえず腹減ったから飯つくって。ほら、なんか持ってんじゃん。いろどり亭でもらってきたんだろ」

 右手に提げていたビニール袋が急激に重みを増した。リサさんからもらった立派なキャベツを今の純也のために調理する気にはなれない。

「な、機嫌直せよ。今回のは悪かったって。俺、面倒なのは嫌いだから、あんまりグダグダいわれると出てっちゃうよ?」

 急激な態度の変化と意味のわからない言葉にぽかんとしていると、純也は口角をあげてうっすら笑う。

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