孤高のエリート社長は契約花嫁への愛が溢れて止まらない
 コーヒーを啜りながら、いちいち深水さんに突っ込みを入れている彼を見やる。私と目が合っても相変わらず無表情だ。

 先ほどのソファの部屋からとなりのダイニングルームに案内された私は、テーブルをはさんで穂高社長と向き合っていた。彼は椅子の背もたれに腕をかけるようにして横向きに座っているから厳密にいえば対峙しているわけじゃないけれど。

 それにしても、秘書が勝手に自宅に私を連れてきたというのに、穂高社長はちっとも気にしていない様子だ。

 ふたりの関係性は不思議だった。普通に考えれば社長の方が立場が上だろうに、深水さんの方が社長をからかっている節がある。それを穂高社長も受け入れているような……。よっぽど深水さんを信頼しているのか、それともなにか事情があるのか。

「ともかく、今日会ったばかりの方の家に泊まるわけにはいきません」

 しかもこの人は昼間、私に同衾しろと言った張本人だ。なにか間違いがあってからでは遅い。

 私の心を見透かしたように穂高社長は口を開く。

「俺はおまえに手を出すほど飢えていない。ま、どこに行くなり勝手にすればいいけどな」

「いけません!」

 ぴしゃりと言い放ったのは深水さんだ。

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